逆説の日本史〈7〉中世王権編―太平記と南北朝の謎



逆説の日本史〈7〉中世王権編―太平記と南北朝の謎
逆説の日本史〈7〉中世王権編―太平記と南北朝の謎

ジャンル:歴史,日本史,西洋史,世界史
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6代将軍義教の再評価

 怨霊・穢れ・言霊の意味を見直し、歴史上での重要性を検証する「逆説の日本史」シリーズの第7弾。本書でも著者のオリジナリティあふれる学説をもとに、明快に日本史を紐解いている。「絶対権力」を確立することが国を安定させ平和を実現するという観点から、足利幕府の開設から6代将軍義教の時代までを再検証している。特に「恐怖の魔王」足利義教編は必読。足利義教を織田信長と比較しながら、改革者として、政治家としての業績を高く評価している。

 他にも太平記の著者や金閣寺の三層構造の謎について著者の新しい見解を披露しており、思わずその見解に納得してしまうものも少なくない。政治面だけではなく、文化面での検証をも重要視する著者の学説には一読の価値がある。
歴史への新しい視点健在なり

この本が好評なのは言うまでもなくあちこちに「へえ」と思わせる指摘があるからである。回を重ねるごとにその迫力が減じているのはまあやむをえないところで、それにも関わらず最後まで読ませる力量はたいしたもの。今回私を唸らせた指摘を二つ挙げれば、まず戦場で揚げた首級の始末について。あんな重い物を抱えて戦場を駆け回るのは無理なことで、だから手柄になりそうなのを一つものにした下級武士は大喜びで姿を晦ましたとのこと。これでは困ると後には軍奉行という手柄を確認証明する役目の者が現れたらしい。他の一つは、将軍義教と信長の類似性。にもかかわらず二人の評価に極端な差があるのはなぜかということ。作者は、愚かな学者の頑迷な思い込みによるとしているがどうだろうか。私は他の理由、例えば義教には桶狭間のような派手な戦歴がないというようなことも影響していると思う。 それにしてもこのシリーズはたしてどこまで続くのだろうか。現代にまで辿りつけばこれはちょっとした快挙であると言える。大いに期待したい。



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